「髪と頭皮の基礎知識」として6回に分けてお伝えしていきます。


①髪の誕生と頭皮の役割

頭皮は顔の皮膚と同じように、表皮・真皮・皮下組織の3層からなり、髪の生成や生まれ変わりを営む重要な役割を担っています。髪は頭皮内部で生まれて育つため、美しい髪の基本は、健やかな当時を保つこと にあります。
頭皮断面 

髪は、頭皮内部にある毛母(もうぼ)細胞でつくられます。
髪をつくるもととなる栄養分と酸素は毛乳頭に張り込んでいる毛細血管を通じて毛母細胞に運ばれ吸収されます。
毛母細胞は分裂・増殖を繰り返し、メラニン色素を取り込みながら毛球の上のほうへ徐々に押し上げられ角化して髪になります。

一般に髪とは、頭皮の表面に出ている毛管(もうかん)を言います。毛根で生まれたばかりの細胞は生きていますが、毛管は死んだ細胞の集まりなので、一度傷むと基に戻りません。


毛乳頭

 毛細血管が入り込み、毛母細胞に栄養や酸素を送り込む中継基地であり、毛髪成長の司令塔と言われます。毛乳頭細胞の数が多いほど毛乳頭は大きくなり、毛乳頭が大きいと、太くハリ・コシのある髪に成長します。反対に毛乳頭が小さいと、細い髪が生まれることがわかっています。


毛母細胞

 髪の母体となる部分。毛乳頭細胞との相互作用に加え、毛細血管から栄養や酸素を取り入れて分裂を繰り返すことにより、髪を形成しています。
 毛母細胞の働きは自律神経やホルモンによってコントロールされているため、健やかな髪が生まれるためには、身体の健康はもちろんストレスをためないことが大切です。


毛根鞘(もうこんしょう)細胞

 おもに毛包を構成し毛根を包む細胞で、毛球から皮脂腺開口部あたりまでを指します。毛幹の形成までをささえ、頭皮表面へ導く役目をしています。
 毛根鞘細胞の働きが低下すると毛包が大きく成長せず、ハリこしのない細い髪になります。

毛根鞘細胞

毛芽(もうが)】
 毛母細胞のもとで、その名のとおり新毛の芽。活性化した毛芽は、盛んに分裂&増殖を繰り返して毛乳頭を包み込み、毛母細胞となります。


メラノサイト(色素形成細胞)】
 メラノサイト幹細胞が分裂してできる細胞。メラニン色素を生成して、髪に色を与えています。

皮脂腺
 毛包の上部に接続し、皮脂を分泌して、頭皮や髪にうるおいを与え保護しています。






②美髪を育む頭皮とは
③髪のしくみ
④健康な髪と傷んだ髪
⑤髪の一生「ヘアサイクル」
⑥白髪発生のメカニズム